運がいい人と、運が悪い人の違いは何だろう。

生まれた環境なのか。偶然の出会いなのか。それとも、本人の考え方や行動なのか。

僕は以前から、運はただ待つものではなく、自分でつかみ取るものだと考えていました。

けれど、人生には自分の力だけではどうにもならないこともあります。

僕自身、大学4年生のときにうつ病を経験し、約1年間療養しました。

同世代が就職や新しい挑戦へ進んでいく中で、自分だけが立ち止まっているように感じていました。その時期には、どうして自分だけがこうなったのだろう、自分は運が悪いのではないかと思うこともありました。

そんな経験をした僕が、西田文郎さんの『強運の法則』を読み、あらためて「運」について考えました。

SBTを学んでいる僕が、この本を読んだ理由

僕は現在、SBT(スーパーブレイントレーニング)を学び、メンタルコーチの資格を取得しています。

SBTの考え方は、僕自身も日常や活動の中で活用しています。

考え方やイメージが変わることで、目の前の物事への向き合い方が変わる。向き合い方が変われば、選択や行動も変わっていく。

実際に活用する中で、その力を感じていたからこそ、西田文郎さんが「強運」をどのように捉えているのかに興味を持ちました。

タイトルだけを見ると、運を引き寄せるための不思議な方法が書かれているように感じるかもしれません。

しかし、僕がこの本から受け取ったのは、幸運が訪れるのを待つという話ではありませんでした。

目標を持ち、考え方を整え、実際に行動すること。仲間や出会いを大切にすること。そして、自分だけではなく、周囲の人を喜ばせること。

そうした日々の姿勢が、結果として運をつかめる自分につながっていく。僕はそのように受け取りました。

最も心に残った「他喜力」

本の中で特に心に残ったのが、他喜力という考え方です。

他喜力とは、文字どおり、他人を喜ばせる力です。自分が成功することだけを考えるのではなく、相手にどうすれば喜んでもらえるかを考える。

この考え方は、僕が大切にしている「人に寄り添い、夢への一歩を支える」という人生のテーマと重なりました。

僕は現在、農業・教育・サッカーを軸に活動しています。

  • にいみ農園では、お米を届けるだけではなく、農業を通して人とのつながりや新しい体験をつくりたい
  • にいみ塾や教育に関する活動では、子どもや学生が自分らしい一歩を踏み出せるように支えたい
  • サッカー・教育事業では、サッカーを競技だけで終わらせず、挑戦や成長、将来の選択肢につながる機会をつくりたい

これらの活動は、一見すると別々に見えるかもしれません。けれど、根底にある思いは同じです。

目の前の人に、少しでも喜んでもらいたい。その人が夢に向かう一歩を支えたい。

僕が『強運の法則』の他喜力に強く共感したのは、自分がこれまで大切にしてきた思いを、あらためて言葉にしてもらったように感じたからです。

人を喜ばせることと、事業を続けること

本では、小林一三さんの例を通して、人を喜ばせる力が成功者の資質の一つとして紹介されています。

僕はここから、人を喜ばせることと、事業として成果を出すことは、必ずしも反対ではないと学びました。

社会のために活動することは大切です。しかし、思いだけで活動を続けようとすると、運営する側が疲弊してしまう可能性があります。

一方で、利益だけを追えば、誰のための事業なのかを見失ってしまうかもしれません。

だから僕は、社会課題の解決と持続可能な事業の両立を目指したいと思っています。

相手が本当に必要としているものを考え、喜んでもらえる価値をつくる。その価値に対して適切な対価をいただき、活動を継続する。そして、生まれた利益や経験を、次の支援や挑戦へつなげる。

他喜力は、ただ無償で何かを与え続けることではないと僕は考えています。人を喜ばせながら、自分たちの活動も続けられる仕組みをつくること。それが、僕が目指したい事業の形です。

行動したから生まれた出会いがある

僕はこれまで、農業、教育、サッカーという三つの領域で活動してきました。最初から、すべての道筋が見えていたわけではありません。

自分から発信する。人に会いに行く。企画を考える。思いを伝える。

小さくても行動したことで、新しい仕事や企画につながり、仲間や協力者と出会うことができました。

だから、自分が動いたことでつかめた運は、確かにあったと思います。

一方で、それをすべて自分の力だとは思っていません。

家族や仲間が支えてくれたこと。活動に関心を持ってくれる人がいたこと。自分に機会を与え、応援してくれる人がいたこと。そうした周囲の支えがなければ、今の僕はありません。

行動したからこそ生まれた出会いもあれば、自分では選べなかった偶然の出会いもあります。

運とは、自分の努力だけでつくるものではなく、自分の行動と周囲の支え、そして偶然が重なったときに生まれるものなのかもしれません。

大切なのは、訪れた出会いや機会に気づき、それを当たり前だと思わず、次の行動につなげることだと思います。

目標があるから、必要なものに気づける

本を読んで、目標を明確にすることの重要性もあらためて感じました。

僕には、「誰もが自分らしく夢に挑戦できる社会をつくりたい」という目標があります。さらにその先には、人に寄り添い、夢への一歩を支える活動を通じて、孤独や生きづらさを抱える人を減らしたいという思いがあります。

目標が明確になると、日常の中で必要な情報や出会いに気づきやすくなります。同じ出来事を見ても、目標があると「これは自分の活動に生かせるかもしれない」と考えられるようになります。

ただし、目標を思い描くだけで現実が変わるわけではありません。

考え方が変われば、選択が変わる。選択が変われば、行動が変わる。そして、小さな行動を続けることで、人や機会との新しい接点が生まれる。

イメージと行動の両方があって、初めて目標へ近づけるのだと思います。

挫折は、その後の行動によって意味を変えられる

僕はうつ病を経験する前、前に進み続けることが成長だと思っていました。

何かに挑戦すること。結果を出すこと。昨日よりもできることを増やすこと。もちろん、それらも成長です。

しかし、心と身体が動かなくなったとき、それまでの価値観では自分を認められなくなりました。

同世代が前へ進んでいるように見える中で、自分だけが止まっている。その時間は、決して簡単に「必要な経験だった」と言えるものではありません。

苦しんでいる最中に、いつか役に立つ経験だから頑張ろうとは思えませんでした。

今も、うつ病になって良かったとは思っていません。苦しみを美化したいわけでもありません。

ただ、過去に起きたことを変えることはできなくても、その経験をこれからどう生かすかは選べると思うようになりました。

自分が苦しんだからこそ、立ち止まっている人の焦りや、周囲に置いていかれるような感覚を、以前より想像できるようになりました。

成功だけではなく、失敗や苦しんだ経験も伝えることで、誰かの一歩につなげられるかもしれない。

挫折そのものに意味があるのではなく、その後の選択や行動によって、挫折が持つ意味を変えていける。それが、この本を読んで考えたことです。

苦しいときに、無理に強運を求めなくていい

『強運の法則』を読みながら、僕が少し慎重に受け止めた部分もあります。

それは、前向きな思考だけでは乗り越えられない苦しさもあるということです。

うつ病は、考え方を前向きに変えるだけで治るものではありません。

僕自身、家族、人とのつながり、農作業、薬、そして時間など、さまざまなものに支えられて少しずつ回復してきました。

苦しいときに無理やり前向きになろうとすると、前向きになれない自分をさらに責めてしまうこともあります。

だから、今動けない人に「考え方を変えて行動すれば運が良くなる」と伝えたいわけではありません。

休むこと。人に頼ること。医療につながること。今日一日を生きること。それらも、その人にとって大切な行動です。

動けない時期があっても、その人の価値は何も変わりません。強運をつくることより、まず自分の心と身体を守ることが必要なときもあります。

僕がこれから実践する三つのこと

この本から得た学びを、読んで終わりにはしたくありません。これから、次の三つを実践します。

1.実現したい未来を、言葉とイメージにする

自分が実現したい社会や事業の姿を、具体的な言葉で書き出します。SBTで学んでいるイメージトレーニングや言葉も活用しながら、何のために活動するのかを定期的に確認します。

2.毎日一つ、小さな行動を起こす

目標が大きいほど、何から始めればよいのか分からなくなることがあります。だからこそ、連絡を一件送る、企画を一行書く、誰かに相談するなど、今日できる行動を一つ決めます。失敗したときは自分を否定するのではなく、そこから学べることを一つ書き出します。

3.他喜力、感謝、仲間を大切にする

自分の利益だけではなく、相手にとって本当に喜ばれる選択かを考えます。支えてくれる人への感謝は、心の中で思うだけではなく、言葉にして伝えます。そして、同じ未来を目指す仲間との時間や出会いを、当たり前だと思わず大切にします。

今日の一歩が、未来の運を変えるかもしれない

夢がまだ見つかっていない人。挑戦したいけれど、失敗するのが怖い人。周囲と比べて、自分だけが遅れていると感じている人。そして今、心や身体が苦しくて立ち止まっている人。

すぐに大きな結果を出す必要はありません。

  • 動ける人は、今日できる小さな行動を一つ決めてみる
  • 支えてくれる人に感謝を伝える
  • 誰か一人が喜ぶことを考えてみる
  • 一人で抱えているなら、信頼できる人に相談してみる
  • 今は動けないなら、焦らず休む

そのどれもが、未来につながる一歩だと思います。

強運とは、幸運が訪れるのをただ待つことではありません。

実現したい未来を考え、人との縁を大切にしながら、できる行動を積み重ねる。そして、訪れた機会に気づき、つかめる自分を少しずつつくっていく。自分だけの成功を求めるのではなく、誰かの喜びや幸せを考える。

その積み重ねの先に、強運と呼べるものが生まれるのかもしれません。

僕もまだ、その途中にいます。だからこそ、焦らず、迷いながらでも、一歩ずつ進んでいきたいと思います。

今日の小さな選択や行動が、いつか振り返ったとき、人生の運を変えた一歩になっているかもしれないから。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

うつ病・精神疾患のご相談を受け付けています

「動けない自分」を責めてしまう方の話を聴いています。オンライン対応・無料。経験者としての対話であり、医療行為・専門的カウンセリングではありません。

この記事は個人の考えをまとめたものであり、医学的な助言ではありません。心身の不調が続く場合は医療機関にご相談ください。今つらい状態にある方は、#いのちSOS(0120-061-338/24時間)やよりそいホットライン(0120-279-338/24時間)など、専門の窓口にご連絡ください。

← ブログ一覧へ